制御・組み込み開発
IoTの普及や、新技術の登場により、制御・組み込み開発の領域は広がり続けています。クロノステクノロジーは、常に最新のニーズに応えられるよう、基盤となる開発業務に加え、新技術や業界の動向を捉えることを大切にしています。カーナビゲーションやスマートフォンアプリ、カメラ制御など、幅広い分野の開発を手がけています。
CASE 1
広域監視システムの開発
- プロジェクトの背景
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大規模な国際スポーツ大会において、セキュリティシステムの導入は不可欠。2021年に行われた大会では、選手の滞在施設や競技会場が全国に点在していたことで、従来大会に比べて監視範囲が非常に広かった。そこで、パナソニック コネクト株式会社が、カメラやセンサーを中心に多数のセキュリティ機器を提供し、システム開発を請け負った。同システムのうち、監視カメラの制御システムの開発を、実績があったクロノステクノロジーが担当した。
中央管理室イメージ
- システムの概要
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システムの仕組み
- 監視カメラに取り付けたセンサーが異常を検知すると、カメラが対象物を捉えて録画を開始
- 中央管制室に通知が届き、該当の映像が自動で大画面表示される
- 中央管制室で問題ありと判断された場合は、映像を保存の上、警視庁と東京消防庁に通報できる
システム導入の結果
人員負担を軽減するとともに、トラブルに対する迅速な対応が可能となった
- 開発エピソード
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課題は、センサーが異常を検知してから、カメラが対象物の録画を開始するまでの動作スピードを速くすることだった。開発当初のテストでは、動作のスピードが不十分で、素早く動く対象物の録画が間に合わなかった。試行錯誤を繰り返した結果、素早い動きにも問題なく対応できるシステムの構築に成功した。
- 今後の課題
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現状の機能では、カメラの映像が中央管制室に送られた後、人の目で確認・判断する必要がある。将来的には、AIの画像解析の精度を高めることで、確認・判断の工程を自動で行えるようにしたいと考えている。これにより、人の目が必要となる場面を大幅に減らすことが今後の課題である。
CASE 2
5Gを活用した新サービスのシステム開発
- プロジェクトの背景
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5Gの登場後、クロノステクノロジーは、5Gを活用したシステム開発にいち早く着手し、積極的に取り組んできた。この実績が評価され、新サービスの開発プロジェクトの開始に伴い、当社が開発の一部を担う運びとなった。
- サービスの概要
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野球場で提供されている、野球観戦専用のサービス。シートに設置された5G対応スマートフォンに、リアルタイムで試合の様子が配信され、6つのアングルの映像を自由に切り替えながら視聴できる。さらに、試合中の名場面や見逃したシーンのリプレイも可能。クロノステクノロジーは、映像サービス(リプレイ/マルチライブ)の切り替えと、マルチライブのアングルの切り替えを行う、スマートフォン用ブラウザアプリの開発を手掛けた。
操作画面イメージ
- 今後の目標
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新技術の登場に伴い、新たなプロジェクトを立ち上げるという場面で、開発メンバーとして声をかけていただけたことに大きな意義を感じた。今後も先進技術へのアンテナを高く張るとともに、基盤となる日々の開発業務においても品質の維持向上に努め、地道な積み重ねと挑戦の両方を大切にしていきたい。
CASE 3
カーナビゲーションのアプリケーション層の開発
- 開発の背景
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クロノステクノロジーは、カーナビゲーション(以下カーナビ)のユーザーインターフェースと機能層の中間である「アプリケーション層」の開発に携わっている。
アプリケーション層
通信の機能を担う部分。例えば、サーバにアクセスすることで情報を取得したり、カーナビから車両の設定を変更したりといった動作は、アプリケーション層の役割。
操作画面イメージ
- 開発のポイント
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- ユーザビリティの向上において重要な、シーケンス設計
- 「DRBFM」に則した、問題の未然防止スキルの取得や、「MISRA C」に準拠した、安全性と信頼性を確保したコーディングスキルの取得を推進
- 開発エピソード
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カーナビの開発は、各工程を担う複数の企業間で協調して進める必要がある。そのため、常に遅延の防止に努める必要があり、同時に他工程の遅延に対する臨機応変な対応が求められる。しかし、限られたテスト機材の中で円滑に作業を進めることは容易ではなく、技術面はもちろん、マネジメントや問題解決能力においても、高いスキルが求められた。
- 今後の目標
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開発フェーズの中には、ミスが許されない工程が存在する。今回のプロジェクトでは、その重要な工程をミスなく乗り越えることができた。これにより、クライアントからは「品質が高い」との評価をいただくことができた。今回の成功は、ガイドラインを日頃から確実に守り、トラブルの未然防止に努める基本姿勢の賜物であったといえる。今後もさらなる品質と技術力の向上に努め、依頼していただける開発工程を広げていきたい。